2026年の療養費改定において、柔道整復師の皆様が特に注視されているのが「通算8ヶ月以上かつ累計9部位以上」の患者様に対する償還払い変更の基準追加です。
「条件を超えたら即時対象になってしまうのか」といった不安のほか、実務面で多く寄せられるのが「どのようにカウントをするのか」という点です。
前編では、判定基準と制度のカウント方法について詳しく解説します。
1. 判定基準の「2つの条件」
今回の基準(2027年1月本格運用)は、直近12ヶ月間(過去1年間)の施術履歴を遡り、以下の2項目を同時に満たした場合に対象となります。
- 条件①【通算8ヶ月】:12ヶ月の中で、月に1日でも施術を行った月が「合計8ヶ月以上」
- 条件②【累計9部位】:12ヶ月の中で、施術対象となった部位の総数が「累計9部位以上」
⚠️ 実務上の落とし穴
「判定は2027年1月だが、計算は2026年1月から始まっている」
2027年1月に判定される「過去12ヶ月」とは、2026年1月〜12月の施術実績そのものです。つまり、2026年の日々の施術・部位管理がそのまま審査対象となるため、施行直前ではなく今からのデータ把握が不可欠となります。
2. カウントの方法と具体的な対象期間
【月数のカウント方法】
月に1日でも施術があれば「1ヶ月」とカウントします。当月の判定は「前月までの連続する12ヶ月間」を対象に行います。
- 2027年7月分の場合:2026年7月〜2027年6月(の12ヶ月間)
- 2027年8月分の場合:2026年8月〜2027年7月(の12ヶ月間)
【部位数のカウント方法】
新規で負傷部位が増えた場合カウントされます。前月からの継続の負傷はカウントされません。
一度転帰がついた後に、同じ負傷名で施術した場合もカウントされます。
【カウントの具体例】
2027年7月に来院した患者の場合
過去の施術
・2026年7月に2部位初検で施術。9月に治癒。
・2026年11月に3部位初検で施術。1月に治癒。
・2027年3月に3部位初検で施術。4月に治癒。
2027年8月に来院した患者の場合
過去の施術
・2026年7月に2部位初検で施術。9月に治癒。
・2026年11月に3部位初検で施術。1月に治癒。
・2027年3月に3部位初検で施術。4月に治癒。
・2027年7月に1部位初検で施術。

上記の例のように、月を跨いだり、施術と治癒(中断)を繰り返す患者様の場合、受付カルテの目視や手計算で「通算月数」と「累計部位」を正確に追い続けるのは困難です。
次回(後編)では、「該当した場合の流れとレセコンを活用した防止策」について詳しく解説します。
